設立から17年、当社は独立系FP事務所として、主にお客様の資産形成や保全、相続手続きなどのお手伝いをしてきました。

 今、様々な格差の拡大が問題視されていますが、私は、経済格差の原因のひとつは、お金に関する知識の差だと考えています。そして、そんな格差を少しでも埋めていくのが、私たちファイナンシャル・プランナーの役目だと思っています。

 私は高校を卒業後、ニューヨークに留学しました。当時の日本はバブル景気の真っただ中で、株でも不動産でも何でも買えば儲かるという状況でしたが、逆にアメリカは、不景気のどん底。マンハッタンの街中はあちこちゴミの山で、強盗や殺人が頻発していました。地下鉄や路上でホールドアップに合うことも珍しくありませんでしたし、遊びに行った夜のクラブで、突然銃撃戦が起こったりもしました。わざとぶつかってきて、紙袋の中のワインが割れたから弁償しろと迫ってくる、通称「ボトルマン」もまだたくさんいて、いくら払ったとか、逃げおおせたとかが、日常会話に出てくるような時代でした。

 私は最初は学校に通っていましたが、ふとした出会いがきっかけで学校をやめ、CM制作会社で働き始めることになります。その後も、ユダヤ系不動産会社の日本人担当部署の立ち上げや、旅行代理店のマネージャー等、様々な仕事をしているうちに、いつの間にか10年が過ぎていました。

 その10年の間、世の中は大きく変わりました。

 日本のバブルは弾け、アメリカの景気は逆にどんどん回復してきたのです。オフィスビル内が禁煙になり、たばこが吸えない店が増えてきて、ハーレムにディズニーストアやスターバックスができ、汚かった街中はどんどんきれいになっていきました。

 渡米したときには、街行く人達の目がみなぎらぎらして見えて、隙あらばやられるような気がして、いつも緊張していましたが、景気が良くなっていくにつれ、人々の表情がどんどん穏やかに変わって、笑顔溢れる顔になっていったのです。もちろん犯罪も減り、安心して街を歩けるようになっていきました。
 当時のジュリアーニ市長が「割れ窓理論」を実践したことで、犯罪を減らすことに成功したと高い評価を得ていましたが、私は単に景気が良くなったから犯罪が減っただけだと思っています。

 元々株や不動産に投資をするのはあたり前で、日頃からみんなそんな話ばかりしているので、景気の恩恵を受けるのが早い人も多かったかもしれません。S&P500指数が、私がいた10年間だけで約4倍になっていますから(その後20年で、更に3倍近くに上がっていますので、30年でなんと10倍以上になっています)、日経平均と比較すると、信じられないくらいの伸びです。
 私も渡米してすぐ、まだおぼつかない英語で、証券会社に口座を開きに行きましたが、一攫千金を狙った個別株狙いばかりで、一時上がっても、売り時を間違えて損することの繰り返しでした。振り返ってみれば、何も考えずにS&Pなどのインデックスを買って、長期保有しておけば、労せず何倍にもなっていたのにと思います。

 お金は、収入より支出を減らし、その分を無理せずきちんと運用していけば、確実に増えていきます。
 とはいえ、自分一人では中々実践できないという方のために、弊社では、FPをインストラクターとする、マネーコーチングサービスを行っています。まずは目標を定め、その目標を達成するためのスケジュールを立てて、実践していきます。よろしければ、ぜひお試しください。

 世の中は、格差や貧困が広がると、安全では無くなります。これは、身を持って体験してきたことです。個人的には資本主義自体に疑問を持つこともありますが、現状生きていくためには、お金が必要なのは概ね事実でしょう。

 私はファイナンシャルプランナーの仕事を通して、すべての人が安心して豊かに暮らせる世の中であるために、少しでもお役に立ちたいと思っています。どうぞよろしくお願い致します。

代表取締役 中島慎貴